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かくれんぼ

家族です。
フラッシュが保父さん。











相変わらず、クイックとメタルにそっくりな、しかしサイズは全く違う二機の子供達は、寄り添う様に遊んでいる。
……遊んでいるとはいえ、大人しく本を読んでいる小さいメタルに小さいクイックがちょっかいを出している様にしか見えないが。
しかし、それに飽きたちびクイックが立ち上がり、何処かへ行ってしまおうとすると、ちびメタルは子供には全く似合わない様子で眉間にしわを寄せ、走り出そうとする彼の小さな脚を掴んだ。

「なぁに、めたる」

「…………」

ちびメタルが、ちびクイックの丸い瞳をじっと見つめていた。ちびクイックは困った様に首を傾げる。

「だって、めたる、むずかしいご本読んでてつまんない」

「……じゃあ、やめる。くいっくと遊ぶ」

そう言って、ちびメタルは走り出したちびクイックの後を追い掛けた。ソファーの周りをくるくると回っているが、鬼ごっこのつもりか何かなのだろうか。
フラッシュは「転ぶなよ」とだけ声をかけた。たぶん、聞こえてはいないだろうが。
クイックとメタルが任務で留守な為、何故か彼がこの二人のベビーシッターをすることになった。彼自身、子供は嫌いではないので嫌だとは思わないが、クラッシュだけで手一杯なところもあるので、頻繁に頼まれると困ると言うのが本音だった。
フラッシュは、いつもメタルが座っている一人用のひじ掛け椅子に機体を埋め、遊ぶ二機を眺める。
速さで勝てる訳が無く、遅れだしたちびメタルを、ちびクイックは心配そうに見つめていた。速さを落とし、「めたる頑張れー」と声をかける。

本当に、オリジナルのほうとそっくりだと心中で呟く。淡泊そうにもかかわらず独占欲が強く、我知らず必死でクイックを繋ぎとめようとしているメタルと、そんなメタルに振り回され、なんだかんだ言いながらも結局は彼を優しく包み込んでいるクイックが、目の前で遊ぶ子供達と重なる。
オリジナル本人達は恐らく気づいていないし、そんな心理分析なぞ告げたらメタルに殺されそうだから何があっても言わないが。

「あー、ちびちゃん達、お兄ちゃんと遊ぼうよー」

ぐだぐだとしたフラッシュの思考を中断する様に、背後から明るい声が響く。
今は、ハンドアームのクラッシュが子供達の中に勢いよく入って行った。
ちびクイックは喜びながらクラッシュの脚部にしがみついた。あまり人慣れしなかったちびメタルも、クラッシュには心を開いてきた様で、抱っこをねだる様に背伸びをして両手を上げていた。

「ちびメタちゃんは甘えっ子だよね~」

クラッシュは苦笑いしつつ、ちびメタルを抱いてやる。ちびクイックは「じゃあ俺はフラッシュに抱っこしてもらうもーん」と言いながらフラッシュのほうに、小さな歩幅で歩いてきた。フラッシュは、そのあどけない歩き方を見て、微かに笑う。その小さな機体を両手で受け入れると、高い高いをしてやった。
「わーい」と嬉しそうな声が聴覚サーチをくすぐる。クイックの野郎は好きでは無いが、この小さなクイックは、素直で可愛いよな、とフラッシュは思う。

「ねーフラッシュー。俺とフラッシュのちっさいのも作ってよぅ。俺ちっさいフラッシュと遊びたい!フラッシュなら出来るでしょー」

ちびメタルの頭部を撫でながら言うクラッシュを見て、フラッシュは至極嫌そうな顔をした。

「……やだよ……俺のちっさいのなんて可愛くねぇぞ。どうせ捻くれててガキっぽくねーよ」

「そうかなぁ……でも子供なのにハゲてるのは可哀相かもね」

「おっ前……!だいたいテメェ自身がガキなんだから、それ以上ガキなんか作ったら俺が過労でティウンするだろーが」

「ひっでぇーーーーー!俺、最近ちゃんとお兄ちゃんしてるもん!」

顔を真っ赤にして怒るクラッシュに皮肉な笑みを向けると、フラッシュは天井を仰いだ。
でも、小さいクラッシュは相変わらず素直で可愛いんだろうなぁと考えると、ちょっと、欲しいと思う。
しかし自分だけは作りたくない。自分とそっくりで捻くれていて生意気で、きっとうんざりする。まぁ、それでもクラッシュは「可愛い」と言って小さな自分を愛してくれるのだろうな、と思うと少し口元が緩んだ。

「あ、ちびちゃん達、かくれんぼしよーよ!フラッシュが鬼ね!ハゲな鬼!見つかったらハゲるから!」

また、クラッシュの声に思考を中断された。膝に乗っていた、ちびクイックは「きゃーハゲたくないよー逃げろーー」と叫びながら、床へと飛び降りる。

「ちょ、待て!ハゲって言うな!あと俺は鬼なんかしねぇ……って、あ!」

文句を言おうとして立ち上がると、ちびメタルを抱いたクラッシュが悪戯っぽい笑みを向けながら廊下へと走り出していた。ちびクイックも笑い声を上げながらそれを追う。

「ちゃんと30数えてから探しにきてねー」

クラッシュの声が遠ざかる。この馬鹿みたいに広い危地の中をいちいち探すのかと思うと、溜息が漏れた。デジタルに干渉し、通信機の電波を探してしまえば、彼等が何処にいるかなど直ぐわかることだが、それでは遊びにはならない。
ちゃんと、歩いて、彼等が隠れそうなところを探さなければいけないだろう。

「しょうがねぇなあ~」

再度溜息をつきつつ、フラッシュは律義に大声で数を数えだす。
廊下からは、遠くで笑い合う声が、フラッシュの聴覚サーチに届いてきていた。
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